あなたはショート(遊撃手)というポジションにどんなイメージを持っていますか?
「内野の要」「肩が強い選手が多い」「センスが良い人がやるポジション」などのイメージが浮かぶかもしれません。
メジャーリーグでも「ショートは花形ポジション」と言われているくらいです。
そんなショートの中でも特に「うまいショートはどんな選手か?」と聞かれると、「深い位置も守れる選手」ではないでしょうか。
深い位置を守る、つまり後ろに守るということは、守備範囲が広くなる代わりに一塁までの距離が長くなり、コンマ何秒の差でセーフにしてしまう可能性も高まります。
また打ち損じなどで緩いゴロが来た時に深く守っていると一塁でアウトにし辛くなるので、あまり深く守るのを躊躇してしまいます。
そんな三遊間の深いゴロをきちんとアウトにできる、そこには軽いフットワークと強い肩、そして正確な送球が必要になり、この3つが揃っているのが良いショートではないかと考えるのです。
ショートに必要なものって何だと思いますか?
では、ショートに最も必要なのは何なのか?
パッと思い浮かぶのは「強い肩」ですね。
もちろん、これも大事な要因です。
しかし、肩が強いからとそれだけに頼ると1試合で投げる距離も回数も多いショートでは、肩に負担もかかってきます。
ですので、個人的には「強い足」だと思います。
足が速ければ(足が動けば)、ボールに届きやすくなるので守備範囲も広くなります。
またショートは難しい体勢から投げることも多いので、強い下半身が必要になってきます。
例えば、華やかなプレーとしてジャンピングスローってありますよね?
あれを成功させるには強い肩はもちろん必要ですが、無理な体勢から踏ん張って力強く飛ぶ力、バランスを崩さず飛べる力、これを生み出すには「強い足」が大切です。
メジャーに適応したあの選手をお手本にしよう
さて、ここである選手のことを思い出してください。
それは川崎宗則です。
彼は日本ではトップクラスのショートでしたが、メジャーでは平均的なレベルです。
肩もメジャー基準ではそこまで強くない・・というか、弱い部類に入るでしょう。
実際、川崎宗則の守備を見てみると、体全身を使って精一杯投げて肩の弱さをそこでカバーしています。
しかし、それよりも着目すべき点は「捕ってから投げるまでの速さ」です。
その差はたったコンマ何秒の短縮にしかならないかもしれませんが、そのコンマ何秒でアウトかセーフかが決まってしまう。
肩が弱い選手だとそのコンマ何秒が生命線になるかもしれません。アウトにできるものがセーフになることが何度もあれば、ショート失格となりますから。
川崎宗則は日本人内野手で通用した数少ない選手
しかも、メジャーではショートは花形ポジション。
足が速く、守備がうまく、肩が強い。そんな三拍子揃った選手が競い合うポジションです。
そんな激戦区のポジションで、控えながらきちんとメジャーで対応できる守備力を備えている。
日本人内野手として海を渡った選手は数多くいますが、大半はショートからセカンドやサードにコンバートされたり、マイナーに落ちています。
そんな中でショートだけでなく、セカンド・サードも守れる守備力を身につけたのが川崎宗則です。
ということは、年齢的に下がり目になってきているとはいえ、川崎宗則は日本人内野手でも最高クラスの守備力を持っていると言っても過言ではないでしょう。
そんな彼から守備を学ぶことができたなら、強豪校やプロからも注目される守備力の身に着けることができるはずです。
2017年に日本球界に復帰したことで、日本でもそのプレーを見る機会が増えると思います。
ぜひとも球場やテレビなどでそのプレーを観察することをオススメします。