プロ野球のスカウトは昔と比べて、「野球がうまければそれでいい」という子をスカウトしない傾向になってきています。
もちろん、一定レベル・最低レベルの野球に必要な能力(スピードやパワー)がないと話になりませんが、現在のスカウティングは野球の能力はもちろんのこと、個人の性格や家族の人間性も見て判断しています。
親の言動や態度もスカウト評価に含まれており、それを知らずにスカウトから減点対象になっていることもあるそうです。
選手本人ではなく親もチェックされている
プロ野球のスカウトは注目選手やスカウト対象は中学生の頃からずっとチェックしており、高校に入ってからの伸び率、今後の伸びしろなどを数年に渡って観察しています。
それと同時に親の姿勢や感覚も注意深く観察しているのです。
例えば、自分の子どもがチームの中心選手だったとしましょう。そうすると親としても鼻が高いです。
そこまではいいのですが、親が子どもと同じように中心選手みたいに保護者や他の関係者に接していると、少し違ってきます。
そういう態度は外から見ると異様ですし、スカウトから見ても嫌悪感しかありません。
もしその子どもがプロ注目選手になったとしても、スカウト会議で強くその選手を推すことができません。
なぜならプロ入団後も協調性に欠けたり、親が何かしらの問題行動や契約時のむちゃな要求などを起こす可能性を考えるからです。
最後は子ども本人の資質で決まる
もちろん、親だけで決まるわけではなく、子どもの意思や考え方も重要です。
プロ野球の日本ハムを筆頭に各球団は獲得対象選手に関しては、ドラフト前に面談を行うそうです。
一般企業に就職活動する際は面接をし、志望動機や自己PRなどをする機会がありますが、これまでのプロ野球界ではそういったものがありませんでした。
しかし選手の問題行動が増えるに当たって、ドラフト前に面談をして志望動機や本人の意思や考え方を確認しているそうです。
「自分の考えを持っているか、それを自分の言葉でどう話すのかの表現力を見て、獲得するかを決める」のです。
ここで見るのは「常に自主的に考えて行動しているか」です。
高校野球では一方的な指導やコミュニケーションもあり、常に「はい」か「いいえ」でしか答えれないという選手もいます。
もしくは「どこかで聞いたような受け売りを話す」という選手もいます。
しかし、それでは評価されません。
不器用でも流暢でなくても、自分の言葉で自分がやっていることや考えていることを説明できる、そういう選手を探しています。
もちろん、これはあくまでも選定方法の1つでしかなく、これが絶対というわけではないですが、一定水準のコミュニケーション能力や課題を自力で解決する能力を持っている、そんな子どもを高く評価しているそうです。
考える力を小さい時から養おう
では、どうやって考える力を鍛えるのでしょうか?
まずは外部の情報を得るために、アンテナを高くしておくという習慣は大事でしょう。
例えば、読書をしたり同年代以外の大人と話すことも大事です。
ただ、これらは寮生活をするような強豪校だとなかなか難しいという側面があります。
寮生活だと朝起きる時間も決まっていて、移動も野球部のバス、場所も辺鄙なところにあるので他校の友人やその他野球や学校と関係ない人と出会うことも少なく外界から閉ざされてしまうため、上下関係が強固だと一方的な会話になって意見の交換をする機会も少なく、考える力を養うことができなくなります。
例えば阪神タイガースの藤浪晋太郎は大阪桐蔭高校時代を振り返り、「刑務所みたいだった。携帯もダメだったので、世の中で何が起こっているかわからなかった」と言っていました(苦笑)
しかし、進学によってはそういう強豪校へ行くこともあるでしょう。そして、そういった高校や寮生活にもメリットはあります。
ですので、どんな状態でも情報を得て自分で考えていく力を養うために、小学生の頃から少しずつ機会を増やして、習慣化していくようにしてあげるのも親の役目です。
結局のところ、親がバカだと子どももバカになり、その結果として大きなチャンスを逃す可能性があるということですね。
→ 高校・大学・プロのスカウトは学校の成績と父親・母親を見て決めている