「引きつけて手元で打て」が難しい理由と良いバッティング指導のコツ

野球の指導現場では昔ながらの抽象的な言葉が多く存在しています。

一般的に『野球を知っている』と言われる選手や指導者ならその言葉が意味することはわかるが、初心者や技術や経験の浅い選手にとっては「イマイチわからない」「うまくイメージできない」という言葉があります。

 

例えば、「壁を崩さない」「タメを作る」「軸を意識する」「下半身で打つ」などが代表的でしょう。

指導者側としてはこういった言葉を使うことで、選手の欠点を指摘し、修正しようと考えていると思います。

しかし、当の本人は「その言葉を聞いてもピンとこない」と思ってしまうというか、その言葉と直接的な解決策とが結びつかず、手探りで修正するハメになるので使いどころは注意したいです。

 

 

 

指導には具体的と抽象的のバランスが必要

 

ただ、これは必ずしも悪いということでも、指導者の指導能力がないというわけではありません。

野球の動作は究極的に、「本人の感覚」に依存する部分が大きくなってきます。

 

感覚や感情というのはうまく説明できませんよね?

例えばお腹が痛かったとして「どんな風に痛いか?」と聞かれても、イマイチ適切な返事ってできなくないですか?

「チクチクするような、ジンジンするような、刺すような痛みがある」と言われても、医者でもない限りは具体的にどういう痛みかわかりません。

 

そのため時間の許す限りという条件がつきますが、できるだけ選手本人がきちんと理解できているかどうかを確認するのが望まれます。

また抽象的な言葉はそこそこに、より具体的な言葉で伝えることが大切です。

 

 

漠然と「引きつけて打つ」ことのデメリット

 

こういった抽象的指導の中でバッティングに関してよく聞く言葉に「きちんとボールを引きつけて打て」というものがあります。

「じっくりとボールを見る」
「自分の間に呼び込む」
「ボールを手元まで引き付ける」
「前で捉えるのではなく、後ろで捉える」
「ギリギリまでボールがくるのを待つ」
「投手寄りで打たず、捕手寄りで打つ」

など色々な角度から、この「引きつけて打て」を指導・説明しています。

 

 

ただ、これも注意が必要で単純にボールをよく見て、手元まで引き付けて、捕手側で打つことをやってみると、確実に振り遅れます。

もちろん、ボールをじっくりと見ることで選球眼が鍛えられればフォアボールの確率も上がりますし、変化球の曲がりにも対応することができます。

しかし、それを実現するためには「バットスイングの速さ」が必要不可欠です。

 

例えば、投手から投げられたボールが2秒でベースを通過するとしましょう。

また、トップの位置からインパクトの位置まで2秒かかり、それが自分でベストの間だとします。

 

そして「少しだけボールをよく見よう」「もう少し手元まで引き付けよう」として0.2秒バットの始動が遅れたとしたら、インパクトの部分への到達時間は2.2秒になります。

しかし、投げられたボールは2秒でベースを通過するので、-0.2秒だけバットが遅れて来るので「差し込まれた」状態になります。

これをベストの位置でインパクトするには始動が0.2秒遅れた分、バットスイングを0.2秒短くしないと、帳尻が合わなくなる。

 

ものすごく乱暴ですが、こういうイメージです。

 

 

 

わかりやすくイメージできる教え方を取り入れよう

 

指導者が指導をする上で「事実をそのまま伝える」ことが正しいとは限らないと考えています。

 

イメージが湧けば「こういう感じかな?」と試行錯誤しながら練習できますが、イメージが湧かなければ漠然とした練習になってしまいます。

感覚的な話になればなるほど、「いかにわかるようにイメージさせるか」が大事になり、言葉だけじゃなく動作や映像や写真などを用いる必要があるでしょう。

 

 

あと、スイングスピードを上げるためには重いバットを振るのがいいと思うかもしれませんが、小学生にその練習はまだ早いです。

運動神経の成長段階は3段階あり、小学生が終わるくらいまでは瞬発系や反応系を鍛える時期で、筋力系を鍛える時期ではありません。

 

ですので、重いバットを振ってスイングスピードを上げようとするのは子どもの成長を阻害する可能性もあります。

それに重いバットを使わなくてもスイングスピードを上げる練習の仕方もあるので、小学生くらいまではそっちの練習をするようにしましょう。

 

→ 少年野球が一番大事?バットスイングの強さとスピードを速くする方法

→ 実践した少年が成長して甲子園で活躍した、バッティング理論とは?

 


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